<論説>元・明交替の理念と現実 : 義門鄭氏を手掛りとして

書誌事項

タイトル別名
  • <Article>The Idea and the Reality on the Turn from the Yuan 元 Dynasty to the Ming 明 Dynasty : the case of the Yimen Zheng family 義門鄭氏
  • 元・明交替の理念と現実--義門鄭氏を手掛りとして
  • モト メイコウタイ ノ リネン ト ゲンジツ ギモンテイシ オ テガカリ ト

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説明

一三六八年、元末の混乱を収拾して、朱元璋は明王朝を創設した。王朝樹立の原動力となったのは、朱元璋が基盤とした江南地方の地主層であった。彼らの人的・物的支持があればこそ、明朝は成立したのである。だが、王朝成立後にとられた措置は、彼ら地主層を弾圧して、王朝権力の確立を図ることであった。五度に及ぶ疑獄事件を利用し、数万人もの地主が粛清された。しかしながら、王朝運営にとって地主層との合作は絶対前提であり、地主層全体を否定するわけにはいかない。そこに朱元璋を代表とする明朝権力の理念と、現実との相剋が生まれることになる。本稿では、金華の義門鄭氏を通して江南地主の存在形態を検討し、それが明朝の国家体制にどのように反映されているかを、元・明交替期の流れの上で捉えたい。

収録刊行物

  • 史林

    史林 65 (2), 177-207, 1982-03-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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