<論説>ブルクハルトとギリシア史

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タイトル別名
  • <Articles>Jacob Burckhardt und die Griechische Geschichte
  • ブルクハルトとギリシア史
  • ブルクハルト ト ギリシアシ

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抄録

ブルクハルトの遺稿『ギリシア文化史』は、それが公刊された直後、当時の指導的古代学者たちのきびしい批判に晒された。その後この書に対する見方は改まり、しだいに高く評価されるようになったが、今日のギリシア研究とこの書との関係は、客観的にはまだほとんど究明されていない。本稿は第一に、「アゴーン」や「ポリス」をはじめとして、ブルクハルトの創見にかかるギリシア史上の諸問題が以後の研究にどのように受けとられたかを、なるべく客観的に追跡し、第二に、『ギリシア文化史』がおもにドイツの古代研究の流れの中で、どのような位置を占めているかを見定め、第三に、『ギリシア文化史』に対する評価の変遷を辿り、はじめ優勢であった批判的傾向が一九三〇年ごろを境として肯定的評価に場所を譲った事情、またこの転換をもたらした背景の諸事情を観察し、第四に、『ギリシア文化史』の今日的意義として、それがわれわれのギリシア研究に何を与えうるかを論じたものである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 70 (3), 325-357, 1987-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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