災害復興恒久住宅在住高齢者の生活上の問題と課題 : 阪神淡路大震災被災5年後の調査

書誌事項

タイトル別名
  • An Assessment of Living Conditions among Older Persons Who Live in Permanent Public Apartments : Centered on Complaints of Older Victims of Hanshin-Awaji Earthquake after Five Years
  • サイガイ フッコウ コウキュウ ジュウタク ザイジュウ コウレイシャ ノ セイカツジョウ ノ モンダイ ト カダイ ハンシン アワジ ダイシンサイ ヒサイ 5ネンゴ ノ チョウサ カラ
  • 災害復興恒久住宅在住高齢者の生活上の問題と課題--阪神淡路大震災被災5年後の調査から

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説明

阪神・淡路大震災被災後、災害復興住宅に移住した高齢者は、様々な問題を持っていることが明らかになっている。しかし、復興住宅での高齢者自身の声は、あまり明らかにされてこなかった。本論では、阪神・淡路大震災後に復興住宅に移住した219人について、生活上の問題や要望を明らかにし、長期的地域支援のあり方を考察することを目的とした。生活援助員(USA)および高齢世帯支援員に調査の趣旨を説明し、同意を得た。それぞれの担当、1,764世帯の高齢者に調査票を手渡してもらい、自記式郵送法で回収した。回収率は26.9%であった。そのうち自由記載部分に記述があった調査票は46.2%であった。データは意味ごとに分析し、「環境」「コミュニティ」「心境」「社会的支援」「経済」「行政」「健康」の7つのカテゴリに分類された。「環境」に関する記載が30.3%と最も多く、次いで「コミュニティ」(19.0%)、「社会的支援」(11.6%)であった。「環境」、「コミュニティ」、「健康」、「経済」の項目に否定的な回答が多かった。一方、「心境」と「社会的支援」では、すべてが肯定的な回答であった。以上のことから、環境やコミュニティなどの問題を解決していくことが重要であることが示された。高齢世帯への積極的な支援活動は肯定的に受け止められており、高齢者の要望に応えるために、訪問型の支援の構築・継続ならびに対人交流の積極性を維持・向上するのが重要であることが示唆された。

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