診断に苦慮したIgG4関連自己免疫性肝炎の1例

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タイトル別名
  • A case of IgG4-related autoimmune hepatitis that was difficult to diagnosis
  • シンダン ニ クリョ シタ IgG4 カンレン ジコ メンエキセイ カンエン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は80歳代男性,1カ月前から食思不振・心窩部痛が出現した.血液検査で肝障害,CTで軽度の胆管拡張を認めた.明らかな総胆管結石は指摘出来なかったが,これまでの病歴(胆管炎で計4回入院歴あり)から総胆管結石性胆管炎疑いで治療を開始した.内視鏡的胆管ドレナージを繰り返すも肝障害は改善しなかった.IgG軽度高値を認めたものの,ウイルスマーカーや自己抗体は陰性であった.肝生検では非特異的な慢性活動性肝炎を認めたものの,確定診断には至らなかった.追加血液検査でIgG4高値であったことから,肝生検病理組織のIgG4免疫染色を行ったところ門脈域にIgG4陽性形質細胞の浸潤を認めた.以上からIgG4関連自己免疫性肝炎の診断で,PSLを開始したところ速やかに肝障害は改善した.原因不明の肝障害に対しては,血清IgG4の測定や肝組織のIgG4免疫染色が有用である可能性がある.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 63 (2), 43-50, 2022-02-01

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (11)*注記

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