南川文里著『未完の多文化主義--アメリカにおける人種,国家,多様性』(東京大学出版会,2021年)

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  • For critique restored : an unsettling review of Unfinished Multiculturalism
  • ミナミカワ フミサト チョ ミカン ノ タブンカ シュギ アメリカ ニオケル ジンシュ コッカ タヨウセイ トウキョウ ダイガク シュッパンカイ 2021ネン
  • 南川文里著未完の多文化主義アメリカにおける人種国家多様性東京大学出版会2021年

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抄録

本稿は南川文里著『未完の多文化主義』の手短な論評である。評者のような多文化主義研究者にとって、あるいはより広くアメリカ合州国の政治や文化、人種・エスニシティにまつわる諸問題に関心のある読者にとって、本書の意義は疑いようがない。この意義を十分に確認したうえで評者は、あえて本書の完成された記述にノイズを起こし、不完全な対話へと開きたい。本書の限界は、「多文化主義とは何だったのか」という広く重要な問いを掲げる一方で、大いに狭められた多文化主義概念に依拠するために、この問いの広さに応答できていないことである。本稿はこの不一致を指摘し、「反多文化主義」に規定されない、批判の豊かな可能性をもう一度開くことを呼びかける。

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