高等教育の質保証における学習成果測定の導入 : アメリカのアクレディテーション団体の評価基準の視点から

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  • Introduction of Learning Outcomes Assessment in Quality Assurance of Higher Education

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抄録

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[要旨] 日本の高等教育の質保証システムである認証評価は、大学が、学生が身に付けるべき学習成果を明確にし、その成果が身についたかを評価する仕組を持っていることを重視するようになった。確かに、学習成果が確認できるのであれば、質の保証はそこに収れんすることができる。いまや国境を越えた学位の通用性の点からも、高等教育財政の規模の拡大による負担の点からも、高等教育の修了者が相応の成果を身につけているのかという点に焦点があてられるようになるのは必然のことだろう。こうした状況の中で、いち早く学習成果の測定を高等教育政策の中心に置くようになったのがアメリカである。先行するアメリカにおいて、高等教育の質保証を中心的に担ってきたアクレディテーションが、1992年以降の高等教育法の改正のたびにどのような責務を負わされ、そのなかで学習成果の重要性がいかに増していったのかを跡付ける。次いで、アクレディテーション団体を承認する政府機関の規則と民間のCHEAの基準において学習成果評価への責任がどのように定義づけられたのかを確認し、現在のアクレディテーション団体の基準の中で、学習成果がどのように扱われ、大学には何が具体的に求められているのか、そこにどのような課題があり、日本にどのような示唆が得られるかを提示する。

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