2021年度中部圏支部病理細胞検査研修会における免疫染色サーベイの実施報告―中部圏支部6県におけるp53抗体の免疫染色の実施状況について―

書誌事項

タイトル別名
  • Report on the immunostaining survey at the 2021 Chubu Area Pathology and Cytology Seminar: Immunohistochemical staining of p53 antibody in the Chubu area
  • 2021ネンド チュウブケン シブ ビョウリ サイボウ ケンサ ケンシュウカイ ニ オケル メンエキ センショク サーベイ ノ ジッシ ホウコク : チュウブケン シブ 6ケン ニ オケル p53 コウタイ ノ メンエキ センショク ノ ジッシ ジョウキョウ ニ ツイテ

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抄録

<p>免疫染色は,病理診断や治療薬の選定において重要である。中部圏支部では病理技術の向上を目的に毎年免疫染色サーベイを実施しており,今回p53抗体サーベイについてその詳細を報告する。方法は,p53蛋白を発現する培養細胞株を貼付した未染標本を参加71施設に配布し,免疫染色実施後に標本と工程アンケートを回収した。その後石川県免疫染色サーベイ評価委員が目視にて評価を行い,ポイント4.0–3.7を最適,3.6–3.4を良好,3.3–3.1を許容範囲,3.0以下を要努力と判定した。最適または良好の場合,診断上支障がないと判定した。参加71施設中59施設(83%)が最適または良好な染色性であり,おおむね診断上支障のない標本という結果であったが,要努力と判定された4施設では至急改善が必要であった。染色手技の解析では推奨染色工程に準じている施設は41施設(62%)と少なく,各施設の一次抗体のメーカーや自動染色装置の機種,検出系が多岐にわたり,その組み合わせが評価結果に影響する可能性が示唆された。免疫染色は,各施設の一次抗体のクローンや管理法,自動染色装置の機種,検出系の違い等が染色結果に影響を及ぼすため,手技や工程を統一しても施設間差をなくすことは困難である。しかし,本事業を定期的に行い自施設の結果を顧みて現状を把握し,検討と改善を図っていくことが免疫染色の質的保証や標準化への推進に繋がるものと考える。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 71 (3), 470-484, 2022-07-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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