新しい肉質のモモの調理・加工適性の検討

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タイトル別名
  • <b>Study of cooking and processing for peaches with new flesh texture</b>

抄録

<p>【目的】山梨県のモモ収穫量は、全国1位(令和3年)であり、重要な地域資源となっている。モモは、剥皮および切断により、果肉の褐変や果汁溶出が見られるため、カットフルーツや加工品等への商品化に課題があった。しかし近年、県果樹試験場において、褐変しにくく成熟しても適度なかたさを保持する新しい肉質のモモ“甲斐トウ果17(商標名:夢桃香)”が開発され、同様の特長をもつ後代実生も選抜された。これらのモモを使用した新商品の開発に向けて、調理・加工適性を検討した。</p><p>【方法】山梨県産の甲斐トウ果17および後代実生を供試試料とした。カットフルーツについては、剥皮後切断した果実をA-PET容器およびOPP袋に入れ、4℃で保存試験を行った。A-PET容器を用いたカットフルーツの評価は、果物仲卸業者および小売業者に依頼した。また、小型レトルト釜を用いた高温真空調理について、芯温100℃、3分間、冷却15分間の条件で行った。さらに、非加熱、乾式加熱、湿式加熱等を取り入れた料理や菓子の試作を研究協力者に依頼した。ゼリー、スポンジケーキ、タルトについては委託製造を行い、研究者や職員をパネルとして官能評価を実施した。</p><p>【結果・考察】カットフルーツの検討では、両品種とも果肉の褐変や果汁溶出が少なく、商品化が期待できる評価となった。高温真空調理では、砂糖を添加することなくコンポートと類似した食味となった。料理や菓子の試作では、調理操作による変色や煮くずれが見られず、扱いやすい素材であることが確認された。官能評価の結果においても良好な評価が得られたため、新しい肉質のモモの調理・加工適性は高いことが分かった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390011804535758464
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_91
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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