食道全長にわたって粘膜びらん・潰瘍を きたした尋常性天疱瘡の 1 例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Pemphigus Vulgaris with Mucosal Erosion and Ulcer Over the Entire Length of the Esophagus
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抄録
<p>52歳,男性。 7 年前に尋常性天疱瘡と診断され当科に通院していたが,背部の皮膚と両側頬粘膜のびらんが徐々に増悪したため入院となった。入院時の Pemphigus Disease Area Index(PDAI)は皮膚10点,粘膜 2 点と中等症であったが難治であり,入院後激しい咽頭痛,呼吸困難感が生じ上部消化管内視鏡検査を施行したところ,食道全長にわたって粘膜びらん・潰瘍・裂創を認めた。抗デスモグレイン 1 抗体 630 U/mL,抗デスモグレイン 3 抗体 2,540 U/mL と上昇を認め,さらに粘膜びらんと潰瘍が食道全体に散発していたため,尋常性天疱瘡の食道粘膜病変と考え,ステロイドパルス療法,全身投与,免疫抑制剤内服,血漿交換療法,免疫グロブリン大量静注療法を行ったところ,皮膚症状と口腔内粘膜症状は改善した。上部消化管内視鏡検査にて食道全長に生じた粘膜病変の改善も確認し,治療効果判定もおこなった。自験例では入院時のは皮膚10点,粘膜 2 点と中等症であったが難治であり,重度の食道粘膜症状もきたした。口腔粘膜病変を伴う場合,上部消化管内視鏡検査で食道粘膜病変の観察を行うこと,重症例においては積極的に初期治療を行うことが重要であると考える。 (皮膚の科学,21 : 108-113, 2022)</p>
収録刊行物
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- 皮膚の科学
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皮膚の科学 21 (2), 108-113, 2022
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390011848897385856
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- ISSN
- 18839614
- 13471813
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可