大動脈弁置換術および僧帽弁置換術後の弁周囲逆流に対してCommando手術を施行した1例

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タイトル別名
  • A Case of Commando Procedure for Paravalvular Leakage after Redo Aortic Valve Replacement and Mitral Valve Replacement

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抄録

<p>症例は76歳の女性.大動脈弁置換術+僧帽弁交連切開術(39年前),再大動脈弁置換術+僧帽弁置換術(28年前)の既往がある.労作時息切れと下肢浮腫を主訴に来院され,同時に黄疸を伴う溶血性貧血も認められた.心エコー検査で大動脈弁,僧帽弁の弁周囲逆流,大動脈弁輪部に大動脈から左房へ吹く血流が認められた.弁周囲逆流による心不全,溶血性貧血と診断し,3度目の弁置換術の方針とした.術中所見では,大動脈弁を除去するとaorto-mitral fibrous continuity(AMFC)の大半が高度に石灰化し穿孔も認められたため,人工弁の再縫着は困難と判断しCommando手術を選択した.無冠尖と左冠尖の交連部に向かって大動脈切開を延長し,左房天井まで切開を拡大した.僧帽弁を除去し,後尖の弁輪をウシ心膜パッチで形成して新たな僧帽弁を縫着した.舟形に形成したウシ心膜パッチをAMFCに相当する僧帽弁輪に縫着した.一方のパッチで左房天井を閉鎖したあと,大動脈弁を縫着した.もう一方のパッチを利用して大動脈切開部を閉鎖した.術後経過は良好であり,心エコー検査で弁周囲逆流などは認めなかった.</p>

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