Circumscribed Palmar Hypokeratosis の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Circumscribed Palmar Hypokeratosis
  • Circumscribed Palmar Hypokeratosis ノ 1レイ

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説明

<p>53 歳,女性。当科初診の20 年前に右拇指球部に自覚症状の伴わない陥凹性紅色局面が出現し,その後拡大した。皮疹部に外傷歴や刺激行為はなかった。ダーモスコピーでは紅色無構造であった。皮膚生検では健常部から病変部にかけて角層が階段状に菲薄化し,それに伴い顆粒層も菲薄化していた。Circumscribed palmar hypokeratosis の診断となった。活性型ビタミン D3 製剤を外用し,治療開始後 2 カ月の時点で辺縁の陥凹がわずかに平坦化した。本疾患は表皮の角化異常,ヒトパピローマウイルス感染,外傷などが原因として考えられているが,確立した見解はない。治療法は活性型ビタミン D3 製剤の外用,液体窒素凍結療法,外科的切除などの報告があるが,保存的治療では奏効しないことも多く確立した見解はない。本疾患は認知度が低く,誤診されることも多いため,中高年女性の掌蹠に生じた陥凹性紅斑を認めた場合,本疾患に留意する必要がある。本疾患の病態の解明や治療の確立のために,今後さらなる症例の蓄積が望まれる。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 84 (5), 422-424, 2022-10-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (4)*注記

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