顔面から頭蓋内まで穿通した杙創の1例

DOI
  • 小川 太志
    川口市立医療センター 救命救急センター
  • 藤木 悠
    川口市立医療センター 救命救急センター
  • 鈴木 剛
    川口市立医療センター 救命救急センター
  • 直江 康孝
    川口市立医療センター 救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • A case of impalement injury caused by an object penetrating from the face to the intracranium

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抄録

<p>89歳, 男性。息子が自宅居室内で倒れて意識がない父親を発見し救急搬送された。搬送時, 意識レベル JCS III -300, GCS 3 (E1V1M1), 瞳孔2mm/2mm, 対光反射なし, バイタルサインは安定していた。身体所見は, 左眼周囲に皮下血腫, 左頰部に約3mmの挫創を認め, CT検査を施行したところ, 左前頭骨眼窩部骨折, 篩骨洞骨折, 脳室穿破を伴う脳出血, 気脳症, 左前頭葉脳挫傷を認め, 頭部外傷の診断がついた。家族に病歴を詳しく聴取したところ, 前日に自宅で転倒し工具が顔面に刺さったが自己抜去, 家族が病院受診を勧めるも本人が拒否, そのまま夕食をとり就寝したとのことであった。手術をしても神経学的予後が厳しいことを考慮し, 家族と相談のうえ保存的加療の方針となり第2病日に死亡となった。頭部, 顔面杙創は, 軽症にみえても全例CTなどの画像検査を施行し異物の侵入経路と臓器損傷の診断をつけるべきである。</p>

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