アピキサバンと高圧酸素治療が奏効したリベド血管症の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Livedo Vasculopathy Successfully Treated with Apixaban and Hyperbaric Oxygen Therapy
  • アピキサバン ト コウアツ サンソ チリョウ ガ ソウコウ シタ リベド ケッカンショウ ノ 1レイ

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説明

<p>83 歳,女性。初診の 1 年前に左外顆の疼痛を伴う潰瘍を自覚し,当院形成外科を受診した。下肢造影 CT で血管の狭窄,閉塞像を指摘され,末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease)の診断で血管内治療を施行されたが,潰瘍の縮小は得られず外用治療を継続された。初診の 1 カ月前に右下腿にも潰瘍が出現し,両下腿の浮腫,潰瘍が増大傾向のため当科を紹介された。初診時,両下腿に著明な浮腫と硬化を認め,壊死を伴う潰瘍形成を認めた。病理組織学的には,真皮浅層の血管閉塞像と血管壁にフィブリノイド変性を認めた。抗血栓薬や血管拡張薬,ジアフェニルスルホン,ステロイドの内服を行ったが効果はなく,臨床像,病理組織学的所見よりリベド血管症と診断した。アピキサバンの内服を開始し疼痛は速やかに改善した。また高圧酸素療法を行うことで潰瘍の縮小を得ることができた。近年では direct oral anticoagulant により改善を認めた症例が散見されてきているが未だ診断基準,治療法に確立されたものはなく,今後の症例の蓄積と検討が期待される。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 84 (6), 507-511, 2022-12-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (5)*注記

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