温帯低気圧による本州中部内陸域での多降水・多降雪の発現傾向

書誌事項

タイトル別名
  • Occurrence tendency of heavy rainfall or snowfall in the inland district of Japan in winter

抄録

本州内陸部で発生した多降水・多降雪日を,1981/82〜2013/14年の33冬期にわたる28地点の気象庁アメダスの2日積算降水・降雪量で上位30位に入った事例とし,それらの長期発現傾向や気圧配置毎の多降水・多降雪域の出現特性を明らかにした.多降水・多降雪は冬型気圧配置時には長野県西部から新潟県境に近い地点で発生し,南岸低気圧通過時にはそれ以外の地点で広域に発生しやすい.多降水の発現は必ずしも暖冬・寒冬と関係しない.南岸低気圧通過時に広域で多降水と多降雪が同時に発生する事例は非常に少なく,2014年2月14-15日の大雪事例がこれに相当した.同事例における低気圧周辺の水蒸気輸送場を分析したところ,低気圧前方の高圧帯により暖域を北上する水蒸気経路が狭まり,閉塞過程に伴う下層の湿潤層における東風成分の強化と共に関東北西から長野県北東域にかけた多量の降水がもたらされた.極端な多降水を伴う南岸低気圧は閉塞段階のものが多く,必ずしも北太平洋上のブロッキング高気圧を伴うとは限らなかった.

収録刊行物

  • 雪氷

    雪氷 77 (5), 397-410, 2015

    公益社団法人 日本雪氷学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (9)*注記

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