当科における口腔癌における舌リンパ節・咽頭後リンパ節転移例の後ろ向き観察研究

  • 鳴瀬 智史
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野
  • 古川 浩平
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野
  • 大森 景介
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野
  • 三好 太郎
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野
  • 大鶴 光信
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野
  • 梅田 正博
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔腫瘍治療学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical study of lymph node metastasis without neck dissection classification in oral cancer

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抄録

レベルシステムに含まれない口腔癌頸部リンパ節転移では,介在リンパ節である舌リンパ節あるいは外側咽頭後リンパ節が挙げられるが,発症頻度が低く,対応に苦慮することが多い。今回われわれは当科における口腔癌レベル外頸部リンパ節転移の治療法と予後について後ろ向きに検討を行い,今後の治療方針について考察した。 <br>2008年6月から2021年12月までに当科で治療を行った口腔癌450例のうち,初回もしくは再発でレベル外頸部リンパ節のみられた17例を対象とし,転移リンパ節に対する治療,経過および予後について検討を行った。 <br>初回治療時では外側咽頭後リンパ節転移が2例認め,副咽頭・咽頭後郭清術および超選択動注化学療法がそれぞれ施行されていた。再発時では後外側舌リンパ節1例,舌骨傍リンパ節7例,外側咽頭後リンパ節7例認めた。外側舌リンパ節転移は顎下リンパ節転移を伴っており,手術療法で救済可能であった。その他の14例はいずれも切除不能例で化学放射線療法,セツキシマブ併用放射線療法,免疫チェックポイント阻害薬あるいはベストサポーティブケアの治療方針となっていた。1年全生存率は舌骨傍リンパ節で25.0%,外側咽頭後リンパ節で33.3%と予後不良であった。 <br>現在ではセツキシマブや免疫チェックポイント阻害薬が発達しており,生存期間を延長できる新たな治療方法として期待される。

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参考文献 (13)*注記

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