精神疾患の血液メタボローム解析研究:うつ病から社会的ひきこもりまで

DOI
  • 加藤 隆弘
    九州大学大学院医学研究院精神病態医学 九州大学病院精神科神経科・気分障害ひきこもり外来
  • 松島 敏夫
    九州大学大学院医学研究院精神病態医学 九州大学病院精神科神経科・気分障害ひきこもり外来
  • 瀬戸山 大樹
    九州大学病院検査部

書誌事項

タイトル別名
  • Blood metabolome analysis focusing on mental disorders from depression to hikikomori

説明

うつ病など精神疾患をもつ患者が発症初期から精神医療機関を受診することはまれであり,適切な精神医療の導入は遅れがちである。他方,こうした患者は身体症状のために身体科を受診していることがまれではない。しかるに,筆者らは精神科以外でも実施可能な採血による血液バイオマーカーの開発が,精神疾患の早期発見・早期介入につながることを期待して,血液を用いた精神疾患の客観的バイオマーカー開発を進めている。本稿では,血液メタボローム解析について概説し,うつ病やひきこもりに関連した研究の成果を紹介する。筆者らはこれまで抑うつ重症度と3ヒドロキシ酪酸,自殺とキヌレニン経路代謝物,ひきこもりとアシルカルニチン/アルギニンとの関連を萌芽的に見いだしてきた。こうした研究の発展により精神疾患を採血で客観的に生物学的に評価できるシステムが構築されることで,精神疾患の早期発見・早期介入の実現に加えて精神疾患への偏見解消が期待される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014093884110080
  • DOI
    10.11249/jsbpjjpp.34.1_7
  • ISSN
    21866465
    21866619
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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