「ポスト東日本大震災/プレ南海トラフ地震」について再考する

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タイトル別名
  • Reconsidering the Time Perspective of “Post-Great East Japan Earthquake / Pre-Nankai Trough Earthquake” Period

抄録

本論文は,「ポスト東日本大震災/プレ南海トラフ地震」という一見自明とも思える受けとめ方に,防災・減災や復旧・復興に関する研究・実践が抱える問題が潜んでいるとの考えに立って,常識とは正反対の見方である「ポスト南トラ/プレ東日本」の視角から「レジリエント社会」について考察する。まず,常識的な見方,すなわち「ポスト東日本/プレ南トラ」の視点から,津波避難,地区防災計画,臨時情報に焦点を当て,この10年を振り返る。しかし,「東日本」における復興の遅れと体験風化は,「東日本」がまだ真の意味で「ポスト東日本」になり切れていないことを,将来に対する過度な悲観や急激な人口減少など,「南トラ」における疑似被災は,「南トラ」がすでに「ポスト南トラ」ともいえる現状を示していることを,それぞれ示唆している。以上について,〈災間〉の概念に依拠して考察し,現在を「ポスト東日本/プレ南トラ」ではなく,「ウィズ東日本/ウィズ南トラ」だとみなすことが真正な「レジリエント社会」につながることを指摘する。

収録刊行物

  • 自然災害科学

    自然災害科学 40 (4), 427-439, 2022-02-28

    日本自然災害学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014115883647488
  • DOI
    10.24762/jndsj.40.4_427
  • ISSN
    24341037
    02866021
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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