構音障害を主訴に脳卒中選定された劇症1型糖尿病の1例

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  • A case of fulminant type 1 diabetes suspected of having a stroke with dysarthria

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抄録

<p>糖尿病の既往のない60歳代男性。入院1週間前より消化器症状が出現し, さらに構音障害と異常行動が出現したため家族が救急要請した。救急隊により脳梗塞を疑われ, 当院脳卒中科へ搬送された。来院直後にショックバイタルとなり, 精査結果から糖尿病性ケトアシドーシスを伴う劇症1型糖尿病と診断し, 集中治療室に入室した。血糖コントロールを含めた全身管理により状態が改善し, 第14病日には一般病棟へ転床となり良好な転帰を得た。劇症1型糖尿病の症状は多彩で急速な経過をたどることが特徴であり, 救急要請の段階で中枢神経症状を呈している可能性が高い。プレホスピタルで脳卒中が疑われた際には初期診療から専門診療科に振り分けられるため, 脳卒中選定患者に当該疾患が潜んでいる認識をもち, 遅滞なく糖尿病ケトアシドーシスに対する治療介入することが肝要である。</p>

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