秋田県内における教育環境格差と地域交通コスト格差

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  • Educational Disparities and Regional Transportation Costs in Akita Prefecture

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ここ十数年の地方経済においては,公共交通政策の見直しの中で,巡回バスを中心とした地方の交通手段 が縮小されてきた。これは特に過疎地において,代替的な交通手段を持たない若年層に対する外界からの刺 激の抑制,とりわけ大学等への進学を考えるきっかけの減少を生じさせる可能性がある。本稿ではこの点に 着目し,直接効果としての経済環境および間接効果としての地域の交通コストの両者が進学率格差に与える 影響を同時に推定するため,秋田県内市町村に関する統計データを用いたパス解析を行う。モデルを通した 分析から,男女の高校生において,経済環境としての地域の所得水準は必ずしも直接的には進学率格差を拡 大させていないことが明らかになった。その一方で,特に男子高校生においては,地域交通コストを通した 格差拡大の可能性が示唆された。仮に経済環境の面で相対的に劣位にある地域においてモビリティのアクセ スが削減される場合,格差がより拡大される可能性がある。

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