形質芽球性骨髄腫と類似した臨床像を呈した形質芽球性リンパ腫

  • 中谷 綾
    国立病院機構大阪医療センター 血液内科
  • 長手 泰宏
    国立病院機構大阪医療センター 血液内科
  • 戸田 淳
    国立病院機構大阪医療センター 血液内科
  • 山下 勇大
    国立病院機構大阪医療センター 血液内科
  • 廣瀬 由美子
    国立病院機構大阪医療センター 臨床検査科・病理診断科
  • 森 清
    国立病院機構大阪医療センター 臨床検査科・病理診断科
  • 柴山 浩彦
    国立病院機構大阪医療センター 血液内科

書誌事項

タイトル別名
  • Plasmablastic lymphoma presenting clinical symptoms similar to plasmablastic myeloma
  • ケイシツ ガキュウセイ コツズイシュ ト ルイジ シタ リンショウゾウ オ テイシタ ケイシツ ガキュウセイ リンパシュ

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説明

<p>症例は多発頭部腫瘤と圧迫骨折を主訴に来院した75歳男性。血液検査でIgG上昇を認め,免疫固定法でIgGκ型M蛋白を同定した。骨髄検査で形質細胞は1.2%であり形態学的に異常細胞を認めなかったが,PET/CTでは多発性骨病変が認められ,頭部腫瘤の生検標本から,形質芽球性リンパ腫(PBL)と診断した。PBLは,B細胞抗原の発現を欠きながら形質細胞の表現型を示すアグレッシブB細胞性リンパ腫である。腫瘍細胞形態は形質芽球様であり,多発性骨髄腫のサブタイプである形質芽球性骨髄腫との鑑別は難しい。免疫表現型や臨床経過は酷似している。本症例は多発骨病変,M蛋白が認められ,多発性骨髄腫と酷似する臨床所見であったため診断に苦慮した。最終的にはEpstein-Barr virus陽性を根拠としてPBLと診断した。Dose-adjusted(DA)-EPOCHによる治療を行い,完全奏効を達成した。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 64 (4), 260-264, 2023

    一般社団法人 日本血液学会

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