芥川龍之介は漢学に造詣が深い日本の文学者である。創作の初期において、豊かな才能を持った芥川は翻案小説を 多数創作した。その中において、『英雄の器』は代表的な作品である。日本的な描写と芥川の独自の思考ばかりではなく、 この作品には中国的な雰囲気が濃く漂っている。日本スタイルと中国スタイルの光と影の交錯の中で、その独特の気質は 輝いている。芥川の他の作品と比べても異色の存在と言えるであろう。
日中言語文化 16 (0), 157-164, 2023
日中言語文化教育推進会