診断に苦慮した ANCA 関連血管炎性中耳炎

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  • A case of otitis media with ANCA-associated vasculitis for which the diagnosis was difficult

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抄録

<p>ANCA 関連血管炎は腎障害や肺病変などの全身疾患で発症することが多い自己免疫性血管炎であるが、近年、中耳炎初発・耳限局型の ANCA 関連血管炎の報告が増加している。本症例は結核の既往がある 52 歳女性で、主症状は抗菌薬無効の中耳炎と難聴、頭痛であった。難治性中耳炎として ANCA 関連血管炎性中耳炎(OMAAV)を鑑別に挙げてはいたものの、ANCA 抗体陰性で生検組織は血管炎の所見が得られず、また、結核性中耳炎の可能性を懸念し診断に苦慮した。最終的に、OMAAV に特徴的とされる肥厚性硬膜炎の合併や、ANCA 関連血管炎やその他自己免疫疾患の診療経験が豊富な膠原病内科医による他臓器評価により除外診断を行い OMAAV の診断を得た。診断までに 1 年を要した OMAAV の症例を経験したため、主にその診断について若干の文献的考察を加えて報告する。</p>

収録刊行物

  • 耳鼻と臨床

    耳鼻と臨床 68 (4), 266-272, 2022-07-20

    耳鼻と臨床会

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