P型とN型のMOSFETサイズ比が異なるCMOS論理回路への γ線照射の影響と原因

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タイトル別名
  • Effects and Causes of γ-ray Irradiation on CMOS Logic Circuits with Different P-type and N-type MOSFET Size Ratios

抄録

耐放射線性に優れるCMOS集積回路の設計法の明確化を目的として,MOSFETとCMOS集積回路にγ線を照射し,TID (Total Ionizing Dose)効果の影響を明らかにした.回路はCMOSリング発振回路に着目し,遅延セルのP型とN型の駆動能力の比が異なる回路を複数設計・試作し,動作速度への影響を比較した.0.18 μm標準CMOS技術により製造されたMOSFETと回路に,10 Mradまで連続的に照射し,リアルタイムで測定した.その結果,遅延セル内のPMOSとNMOSの駆動能力のバランスによって発振周波数の変動の程度は異なり,ほぼ変化しないP型とN型のサイズ比が存在する結果を得た.解析を行った結果,NMOSはTID効果によりオン電流とリーク電流が大きく変化し,オン電流の増加は発振周波数が高く,リーク電流の増加は発振周波数が低くなるように作用していた.両者の影響のバランスが取れるようにPMOSのサイズを最適化すると,発振周波数の変化を小さく抑えられることが分かった.この結果を基に改めて回路の設計・試作・評価を実施した結果,周波数変動の小さいリング発振回路の実現に成功した.

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390015410760216960
  • DOI
    10.14923/transelej.2022jci0027
  • ISSN
    18810217
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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