九州支部の多様な調理法と家庭料理の伝承調査

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書誌事項

タイトル別名
  • Survey on various cooking methods and traditions of home cooking in the JSCS Kyushu Branch
  • Characteristics of respondents aged 10 to 20 who answered "I want to pass on the taste of my home"
  • —“家庭の味を伝承したい”と回答した10~20歳代の特徴—

抄録

<p>【目的】日本調理科学会特別研究「多様な調理法と家庭料理の伝承」において,九州支部の結果より“我が家の味を伝承したい”という質問に対し,“あてはまる”と回答した者(伝承意識高群)の割合は,33.2%(357人)であった。そこで,伝承意識高群10~20歳代の特徴を検討し,家庭料理伝承の基礎資料を得ることを目的とした。</p><p>【方法】2022年10月~2023年2月,九州の大学・短大・専門学校等に在籍する学生2,127人に「多様な調理法と家庭料理の伝承」に関する質問票(Web)調査の説明書を配布し,1,075人の回答(有効回答率50.5%)を得た。調査項目のうち「食生活状況,参考にする資料」に着目し,解析対象は10~20歳代の男女1,058人とした。解析は,SPSS 21~27を用い,伝承意識高群と低群の比較はχ2検定を行った。</p><p> 【結果】食生活状況について,伝承意識高群は「毎食,主食・主菜・副菜を揃えるようにしている」「旬の食材を選ぶようにしている」等の項目の割合が有意に高く(p<0.01),食意識が高い傾向が認められた。また,伝承意識高群において,調理する時の主な参考先は「インターネットのレシピサイト」「インターネットの調理動画」「学校の調理学実習」であった。伝承意識が明らかに高い者でも「主な調理担当者の料理・家族の料理」よりも「学校の調理学実習」を参考にする方が多いことから,家庭料理の伝承に関して「学校の調理学実習」の担う部分が大きいと考えられた。伝承意識高群は「調理することは楽しい」「小さいころ家族と調理することがよくあった」「食事が楽しみ」の項目の割合が有意に高い(p<0.01)ことから,家庭や学校で調理や食事の楽しさを伝えることは,家庭料理の伝承につながる可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390015952395722624
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_191
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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