洋上風力発電施設の景観シミュレーションによる視覚的影響範囲(ZVI)と視覚的影響の大きさに関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Zone of Visual Influence for Offshore Wind Farms and the Magnitude through Landscape Simulations
  • A Case Study of the Visual Impact Assessment for Offshore Wind Farms in the Ishikari Bay of Hokkaido
  • 北海道石狩市沿岸の洋上風車の視覚的影響評価

抄録

<p>本研究は、石狩市沿岸の風車事業に関して、Google Earth Proを用いた洋上風車の景観シミュレーションにより、眺望地点ごとの「視覚的影響範囲ZVI」と「視覚的影響の大きさ(マグニチュード)」を予測し、対応する「垂直見込角」を明らかにすることを目的とする。結論として、以下の点が明らかとなった。 1) Google Earth Pro上で景観シミュレーションを用いた「通常ビュー」の水平視野角は60°である。A3印刷の大きさでは、対象物を肉眼で見る大きさに近い水平視野角27°の画像にトリミングして、評価を行う必要がある。 2) 垂直見込角は、眺望点の標高と地球の丸みと光の屈折による沈み込みを考慮することで、精度が高まる。 3) 石狩市沿岸の風車事業の景観シミュレーションの場合、「単独で重要な影響を及ぼす可能性」がある視覚的影響のマグニチュード「大」の眺望地点から風車までの「最大距離」は約18.5km、「最小垂直見込角」は約0.77°と予測される。「重大な影響に寄与する可能性」があるマグニチュード「中」の眺望地点から風車までの「最大距離」は約24.4 km、「最小垂直見込角」は約0.45°と予測される。 4)視覚的影響の大きさの割合を自治体ごとに比較した結果、風車の数が増えたとしても風車の高さを下げた方が、眺望地点の視覚的影響を全体的に低減できる。</p>

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 58 (3), 1562-1569, 2023-10-25

    公益社団法人 日本都市計画学会

参考文献 (1)*注記

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