日常生活に影響する全身および口腔症状の分析:平成28年国民生活基礎調査匿名データからの考察

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  • Effects of Systemic and Oral Symptoms on Daily Living: A Discussion Based on Anonymized Data from the Comprehensive Survey of Living Conditions 2016
  • ニチジョウ セイカツ ニ エイキョウ スル ゼンシン オヨビ コウコウ ショウジョウ ノ ブンセキ : ヘイセイ 28ネン コクミン セイカツ キソ チョウサ トクメイ データ カラ ノ コウサツ

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抄録

<p> 自覚症状が日常生活に影響するプロセスを分析することは,全身および口腔の疾病予防に寄与すると考えられる.本研究では,平成28年国民生活基礎調査の匿名データを活用し,42種の自覚症状と日常生活への影響の有無との関連性について分析した.対象は40歳以上70歳未満で自覚症状関連の質問に有効回答があった8,332名(男性4,022名,女性4,310名)である.分析方法は①分割表による自覚症状と日常生活への影響の有無との間での単変量分析,②日常生活への影響の有無別にみた各症状の回答率順位の比較,③日常生活への影響の有無(モデル1),主観的健康感(モデル2)を目的変数とした2項ロジスティック回帰分析(多変量分析)により実施した.</p><p> その結果,単変量分析では「手足の動きが悪い」(オッズ比:4.17)を含む16症状で,口腔症状では「かみにくい」(1.95),「歯ぐきのはれ・出血」(1.42)で,日常生活への影響の有無との関連が認められた.日常生活への影響あり・影響なし群間で自覚症状の回答率順位を比較した結果,両群間に有意差(p<0.001)が認められた.</p><p> 2項ロジスティック回帰分析の結果,日常生活への影響の有無を目的変数としたモデルでは,「骨折・ねんざ・脱きゅう」(調整済みオッズ比:3.17),「手足の動きが悪い」(3.00)を含む5症状の調整済みオッズ比が有意となっていた.</p><p> 以上の結果から,日常生活に影響しやすい自覚症状の存在が示唆され,有訴者に対する保健指導に際しては留意すべきと考えられた.</p>

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