<論文>心理支援をめぐる経済,科学,倫理 --経済的合理性の問い・効果のエビデンスの問い・倫理的要請の問い--

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抄録

心理支援の必要性を訴えるとき,その経費を負担する主体からその「経済的な合理性」についての問いが問われることが多い。この問いは,費用に見合う効果を問うものであり,「効果の科学的エビデンス」についての問いと直結したものである。20世紀末から現在に至る数十年の間,世界経済が停滞する中で,この2つの問いがますます心理支援を支配するようになった。この間,「社会は苦悩する人に対してどう関わるべきか」という倫理的要請の問いは,これら2つの問いの背後に後退してきた。本小論では,倫理的要請の問いを重視する立場から,心理支援をめぐるこれら3つの問いと,それらが心理支援に及ぼしてきた影響について考察する。その上で,社会正義の観点から,心理支援に関して,今後われわれが取り組んでいくべき課題について考察する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390016958307928064
  • NII書誌ID
    AB00002734
  • DOI
    10.14989/286325
  • HANDLE
    2433/286325
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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