レジ袋で弁当箱を持ち運ぶと弁当箱が傾く原因

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タイトル別名
  • Causes of Lunch Boxes Tilting when Carrying in a Plastic Bag

抄録

本研究の目的は、「レジ袋で荷物を持ち運ぶと中身が傾く現象」の原因を明らかにすることである。現象の理解のため、ストロボ撮影による分析と運動方程式によるシミュレーションを並行して実施した。結果として、運動は、水平方向の並進運動、鉛直方向の単振動、肩と肘をそれぞれ中心とする振り子運動の足し合わせによって表現できることが分かった。次に、弁当箱の運動をモデル化し、弁当箱に働く力を仮定した上で弁当箱にはたらく力のモーメントについて考察した。結果から、弁当箱の回転運動には臨界角が存在し、諸条件の変化に応じて力のモーメントが変化することが示唆された。さらに、弁当箱の質量を変えつつ加速度計を利用して運動を測定し、フーリエ変換を用いて周波数領域における変化を分析した。その結果、振幅と質量の相関関係・重力と慣性力の大小関係があることや質的に異なる2種類の運動に分類できることが見いだされた。結論として、腕を規則的に動かすために小刻みに腕に力を加えている効果や肘の可動域の端に達したときに慣性力が大きくなる効果の影響が大きいこと、そして弁当箱に臨界角が存在し臨界角を超えると弁当箱が傾くことが分かった。今後は本研究をもとに解決策を考案し、考案した解決策が本当に軽減効果を有しているのか検証実験を行う予定である。

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