インシデントレポートを人間工学的に科学する

DOI
  • 前田 佳孝
    自治医科大学メディカルシミュレーションセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Ergonomic Approaches to Incident Reporting
  • With Case Study for Healthcare
  • 医療での事例を交えて

抄録

<p>事故の再発防止にあたって,現場からのインシデントレポートは重要な情報源である.しかし,その報告制度においては,(1)報復への恐れ,(2)不適切な報告フォーム,(3)報告基準の曖昧さ,(4)レポートの質より量を優先する考え方,(5)レポートからの不十分な学習,(6)レポートに関する教育不足といった課題が指摘されている.これらによって生じる現場の問題は複雑に絡み合っており,関係するエンドユーザーも多い.そこで本稿では,こうした課題の解決アプローチとして,人間工学が重視するシステムズアプローチ(システム全体の最適化を目指し,複雑な問題を包括的に解決する方法)や,幅広いエンドユーザーの関与の重要性について解説する.その事例として,医療でのインシデントレポートの質向上に関する訓練設計とその効果の検証について紹介する.</p>

収録刊行物

  • 安全工学

    安全工学 62 (6), 428-434, 2023-12-15

    安全工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017113109006080
  • DOI
    10.18943/safety.62.6_428
  • ISSN
    24240656
    05704480
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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