チザニジン塩酸塩の過量内服により意識障害が遷延した1例

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タイトル別名
  • A case of prolonged loss of consciousness due to overdose of Tizanidine hydrochloride

抄録

<p>チザニジン塩酸塩を過量内服した報告はまれであり, 今回意識障害が遷延した症例を経験したので報告する。症例は既往歴にうつ病と腰痛症がある50代の男性。路上で倒れていたため救急搬送された。来院時, 意識レベルはGlasgow Coma Scale (以下, GCS) E1V1M1, 脈拍42/分, 血圧150/100mmHg。瞳孔径は両側1mmであったが, 発汗, 流涎などはなかった。所持品からチザニジン塩酸塩1mg, 52錠分の空包を見つけたため, 胃洗浄を行い, 活性炭と下剤を投与した後にICUに入室とした。来院10時間後に意識レベルはGCS E4VTM6となったため人工呼吸器から離脱し, 来院約90分前に過量服薬したことが判明した。本剤の半減期は1.5時間であるが, 今回, 服用量が多く代謝に長時間を要し意識障害が遷延し, また副交感神経が優位となることで, コリン作動性トキシドロームに類似した症状を呈したと考えられた。意識障害や有機リン中毒様症状を呈する症例では, 本剤の過量内服を念頭に置く必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017135055426560
  • DOI
    10.24697/jaamkanto.44.4_385
  • ISSN
    24342580
    0287301X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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