ロボットマニピュレータを用いた初期OA術中診断システム(RMA-OCDS)の提案

DOI
  • 野呂 文音
    名城大学大学院 理工学研究科 メカトロニクス工学専攻
  • 福山 裕人
    名城大学大学院 理工学研究科 メカトロニクス工学専攻
  • 岩井 愛弥
    名城大学大学院 理工学研究科 メカトロニクス工学専攻
  • 佐伯 壮一
    名城大学 理工学部 メカトロニクス工学科
  • 塚原 義人
    日本シグマックス株式会社

Abstract

<p>近年,変形性膝関節症(OA)等のロモティブシンドロームによる労働力低下が懸念されており,診断法の確立が望まれている.MRIを用いた画像診断法が検討されているが,検出分解能に比べ軟骨摩耗が微小であるため組織変形に基づく診断には限界がある.一方,OA治療法の一つとして自家培養軟骨の移植手術が注目されている.しかし,採取する部位は目視検査にとどまっており,定量的評価できないことが課題となっている.このように,初期OA診断および自家培養軟骨移植の両者において,マイクロバイオメカニクスに基づく診断法の確立が不可欠と考えられる.本研究では初期OA術中診断法として,軟骨組織変形および関節液流動によって発生するドップラー変調周波数からひずみ速度分布を断層検出するOptical Coherence Doppler Stratigraphy(OCDS)に関節内視鏡とロボットマニピュレータを実装したRobot manipulating Arthroscopic OCDS(RMA-OCDS)を提案する.本稿では,高速撮影が可能であるなど臨床的な利点が多いSwept Source OCT(SS-OCT)の導入を検討する.検証実験のため,サンプルとしてブタ関節軟骨組織から正常軟骨とコラーゲン分解酵素処理を2時間施した初期変性軟骨を作成し動的粘弾性試験を実施した.その結果,強制周期変位に対するひずみ速度の位相遅れは初期変性軟骨の方が小さくなった.これは,初期変性軟骨ではプリテオグリカンの離脱により粘性が低下したためであると考えられる.これより,SS-OCTを用いた初期OAのマイクロ断層可視化診断法の妥当性が示唆された.</p>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590631552
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.267_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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