低侵襲心臓手術のためのマーカ位置推定

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抄録

<p>低侵襲心臓手術が行われる手術の1つとして,僧帽弁閉鎖不全症に対して行う弁形成術がある.弁形成術は,人工腱索を用いて断裂した腱索を補い,弁形成リングを用いて弁輪の拡大を修正する.この手術において,人工腱索や弁形成リングの位置は,弁として機能するように適切な位置に配置する必要がある.適切な位置はあらかじめ色素を用いて何点かのマーキングを行うが,内視鏡下であり視野が狭いため鉗子により隠れて見えなくなってしまうことがある.そこで,本研究では,手術中につけたマーカごとの重心座標とマーカ間の位置関係を用いて,鉗子によって隠れたマーカの重心位置を推定することにより,手術中の死角部分の補填を行うシステムを提案する.まず,ステレオ内視鏡から得たカラー画像から分光反射率を推定しマーカ部分を抽出する.次に,ステレオ法を用いてマーカ領域の3次元情報を推定し,マーカごとに重心位置を計算する.その後,マーカの輪郭を用いてフレーム間マッチングを行い,隠れたマーカを検出する.最後に,計算したマーカごとの重心位置の関係を使用して,隠れたマーカの重心位置を推定する.紙の上に弁を想定して描いたマーカを撮影した画像を用いて,死角部分のマーカの重心位置推定を行うことで,提案手法の有効性を確認した.このシステムにより,手術中に隠れたマーカの位置推定を行うことで,死角部分の補填を行うことが可能となる.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 303_1-303_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390017345590684032
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.303_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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