耳下腺癌pT4症例の検討

  • 佐藤 文彦
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 小野 剛治
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 佐藤 公宣
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 三橋 敏順
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 千年 俊一
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
  • 梅野 博仁
    久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical analysis of cases of pT4 parotid gland cancer

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抄録

拡大切除を必要とする耳下腺癌T4において顔面神経の取り扱いはQOLの観点から慎重になる必要がある。今回,当科で根治手術をした耳下腺癌pT4症例について検討した。症例は,8歳から81歳,男性17例,女性8例であり,観察期間の中央値は8.6年であった。高悪性度は16例であった。術前に顔面神経麻痺のない14例のうち高悪性度は6例あり,神経を温存可能であったのは2例であった。症例全体の5年局所領域制御率は74.4%,遠隔転移率は 45.4%,全生存率は59.5%であった。単変量解析では,高悪性度のみが局所領域制御率,遠隔転移率,全生存率のいずれにおいても予後不良であった。術前顔面神経麻痺のないT4症例では,神経合併切除は治療成績向上に寄与しないことが示唆されたが,高悪性度例では神経温存は困難である場合が多い。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 49 (4), 299-304, 2023

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (21)*注記

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