脳波およびMRIを用いた精神疾患の病態研究

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タイトル別名
  • EEG and MRI studies in psychiatric disorders

抄録

統合失調症の病態の解明に役立つことが期待される脳波指標に,ミスマッチ陰性電位やガンマ帯域の神経オシレーションが知られている。これらの脳波指標は統合失調症での障害が繰り返し報告され,臨床症状との関連が明らかにされている。またこれらの脳波指標は動物でも測定可能なことからモデル動物を用いた基礎研究での活用も進んでいる。さらにMRIによる大規模研究において統合失調症でみられる大脳灰白質および白質の構造変化について近年報告が相次いでいる。次の段階に研究を進展させるためには,これらの大規模研究の成果をこれまでに得られている神経生理学的知見と融合させ統合的に理解し,大局的な神経ネットワークの障害として把握する必要がある。統合失調症における新たな神経ネットワーク障害が明らかになれば,ヒトでは難しい侵襲を伴う病態の研究が動物実験によって可能になり,新たな治療法の開発の礎になることが期待される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018120873651968
  • DOI
    10.11249/jsbpjjpp.35.1_46
  • ISSN
    21866465
    21866619
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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