展望:せん妄の介入法における近年の変化と生物学的背景

DOI
  • 八田 耕太郎
    順天堂大学大学院医学研究科 精神・行動科学 順天堂大学医学部附属練馬病院メンタルクリニック

書誌事項

タイトル別名
  • Recent Changes in Intervention for Delirium and Biological Background

抄録

せん妄に対する介入法は,エビデンス水準の高さからは非薬物的介入が先行しているが,せん妄は明瞭に生物学的基盤をもつ病態であるため,非薬物的介入に限界があるのも事実である。薬物療法による介入のエビデンスは徐々に蓄積されつつあり,治療では抗精神病薬,予防ではメラトニン神経伝達やオレキシン神経伝達へのアプローチが挙げられる。せん妄は生命予後不良の兆候であり,転倒転落や認知症発症のリスクを上昇させ,医療経済的な負担を増大させることから,その予防の重要性がますます認識される時代にある。薬物療法による介入もその方向に展開することが社会の要請であり,進展するせん妄の病態機序仮説に添った方略の展開が求められていくであろう。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018120873657216
  • DOI
    10.11249/jsbpjjpp.35.1_36
  • ISSN
    21866465
    21866619
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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