発芽玄米発酵液に含まれる成分の解明から肌への効果検証まで

書誌事項

タイトル別名
  • What Was Produced by Fermentation? From Elucidation of Ingredients to Verification of Effects on Skin

抄録

<p>発芽によって栄養価を高めた玄米を,酵母Lachancea thermotoleransで発酵させ,発芽玄米発酵液を調製した。この発酵液は,肌なじみや保湿力が高いことから,肌の保湿に関与する遺伝子発現やin vivoでのシワ改善効果などの肌に対し,さまざまな有用な効果をもたらすことを確認してきた。しかし,これらの効果が発酵に由来する何の成分によって生じているのかは明らかになっていなかった。そこでわれわれは,この発酵液から発酵に由来する微生物の代謝物を網羅的に解析するメタボロミクスを用いて解析することで,いくつかの特徴的な化合物を見出した。また,この化合物と発酵液が示す機能性との相関性について検討した。その結果,特徴的な代謝物としてポリアミン類およびその類縁体として特徴的なアセチル化されたポリアミンが見出された。これらの化合物を用いたin vitro試験において,表皮および真皮のヒアルロン酸産生促進作用,グルタチオン産生促進作用,メラニン産生抑制作用が認められた。さらに,ヒト3次元培養表皮モデルを用いた浸透性評価の結果,ポリアミンの種類により皮膚への浸透性に差があることが明らかになるとともに,ポリアミンによる基底膜付近でのヒアルロン酸産生促進作用が確認された。</p>

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