障害史研究をめぐる覚書 : 通史・総合史・生活史

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タイトル別名
  • Considerations on Research About the History of Disability: On Historical Overview Works, Comprehensive Histories, and Histories of Everyday Life

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抄録

障害は、心身の毀損の面と社会文化的に構築された面がある。その歴史的分析には、様々なアプローチがあり得るが、本稿では、とくに障害の認識の形成や変化に留意した通史的な観点、障害と文化の関係に注目した総合的(多角的)な観点、また障害者の生活実態の解明に留意した生活史的観点を中心に、諸研究のレビューを行う。いわば古代から近現代に至る障害史の諸問題を、領域横断的に通覧する作業であり、従来はあまりみられなかった試みといえる。しかしそれをあえて行うのは、欧米では地域別、障害種別、時代別かつそれを踏まえた通史研究がみられるのに対し、日本では、近現代を中心に、教育史、福祉史また医学史の研究蓄積が重ねられる一方、前近代の研究も踏まえた障害の全体史の構築を目指す方法論が提起されるに至っていないと、考えるからである。このような、欧米と日本における障害の歴史研究の相違は、人の多様性や障害認識をめぐる思考の違いが、背景にあると想定される。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018428979109120
  • NII書誌ID
    AA12891195
  • DOI
    10.15017/7172669
  • HANDLE
    2324/7172669
  • ISSN
    24353078
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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