《再生》する詩的言語

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タイトル別名
  • ――小林秀雄と中原中也における〈哀悼〉の交錯――

抄録

本論は、小林秀雄と中原中也における非明示的な共振性を、テクストの〈推敲〉、死者への〈哀悼〉を手がかりに論じる。従 来、両者の作家的性質は対照的とされてきた。だが、〈死者〉表象にまつわる彼らの推敲行為をたどることで、すでに完成された詩を幾度も書き換えてゆく中原の緻密な推敲と、小林の批評文・訳文におけるそれとが同質の問題を抱えることが分かる。その内実を検証することより、それぞれの作品において、死者の記憶を編み直し、新たな〈詩的言語〉によって《再生》させる仕組みが明らかとなる。「富永太郎」(1925年)から「中原中也の思ひ出」(1949年)に至る小林の詩人への哀悼の軌跡は、彼に固有な「詩」の創出の過程でもあった。

収録刊行物

  • 関西近代文学

    関西近代文学 3 (0), 21-41, 2024-03-20

    日本近代文学会 関西支部

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018583806785024
  • DOI
    10.57535/kansaikindaibungaku.3.0_21
  • ISSN
    27584097
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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