生呉の高周波パルス連続加熱がリポキシゲナーゼ活性および豆乳の品質に及ぼす影響

  • 長屋 美玖
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
  • 鈴木 彌生子
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 高度分析研究センター
  • 植村 邦彦
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of high-frequency pulse continuous heating of soybean slurry on lipoxygenase activity and quality of soymilk

説明

<p>高周波パルス連続加熱 (HFP) は装置内に詰まりや焦げ付きが生じることなく, 生呉を連続的に0.6秒間で110 °Cまで昇温することが可能であった. 従来加熱では, 生呉を100 °C以上に加熱すると蛋白質の抽出率が低下するが, HFPは100 °C以上に加熱しても抽出率が下がらず, 加熱温度の上昇に伴い蛋白質の抽出率が上昇した. また, 従来加熱ではLOXを失活するために, 80 °C 5分間の加熱を必要としたが, HFPは80 °C 3秒間の加熱で活性残存率が約1 %に低下し, 90 °C 3秒間の加熱で完全に失活した. また, HFPを用いることで, 大豆蛋白質の主成分である11SグロブリンのS-S結合が, 低温かつ短時間の加熱で切断される可能性が示された. さらに, HFPは青臭さの原因であるhexanolが低減し, 加熱に伴い増加する1-octen-3-olや2-pentylfuran, 2,4-decadienalの生成を抑えることが明らかになった.</p><p>HFPはこれまで困難であった生呉の連続的な均一加熱を実現し, 短時間の加熱で効率よくLOXを失活するとともに, 加熱に伴い生じる品質低下が少ない加熱方法であることが分かった.</p>

収録刊行物

参考文献 (29)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ