術後早期に多発性肝転移再発を認めた<i>BRCA2</i>病的バリアントを有するホルモン受容体陽性乳癌に対して,一次治療としてオラパリブが長期間奏効した1例

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タイトル別名
  • A case of germline <i>BRCA2</i> mutated hormone receptor-positive breast cancer with multiple recurrent liver metastases in the early postoperative period and long-term response to olaparib as first-line treatment

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説明

<p> 術後早期に多発性肝転移を認めたBRCA2に病的バリアントを有するホルモン受容体陽性乳癌に,一次治療としてオラパリブが長期間奏効した症例を経験したため報告する.32歳時に左乳癌cT4dN1M0,Stage ⅢB,Luminal B typeと診断した.術前化学療法後,手術を施行し,病理学的評価はpCRであった.術後7カ月,多発肝転移を認めた.BRCA2の病的バリアントが判明したため,一次治療でオラパリブを投与した.3年10カ月後,肝S5に1カ所のみ3cm大の肝転移を認め,肝腫瘍生検後,局所制御目的でラジオ波凝固療法を施行した.オラパリブを継続し,焼灼術後5カ月経過するが再燃は認めていない.無病期間が短く,肝転移再発を伴う予後不良な症例であっても,BRCA病的バリアントを有する乳癌患者であれば早期にオラパリブを投与することで長期予後を期待できる可能性がある.</p>

収録刊行物

  • 遺伝性腫瘍

    遺伝性腫瘍 24 (1), 91-95, 2024-07-30

    一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会

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