フィリピン系移民1.5世の女性が経験する家族の抑圧と抵抗――インターセクショナリティが照らしだす複雑な権力関係の交差――

書誌事項

タイトル別名
  • Filipino 1.5 Generation Immigrant Women’s Experience of Family Oppression and Resistance: Unveiling Complex Power Dynamics through Intersectionality

説明

<p>本稿の目的は,在日フィリピン系移民1.5世の女性2名の10代前半から20代後半までの15年間の生活の軌跡をデータとして,トランスナショナルなインターセクショナリティの視点から,移民の子どもが埋め込まれる重層的な抑圧構造とそれへの抵抗を明らかにすることである.2名の女性は「トランスナショナルな家族」と「国際結婚ステップファミリー」が重なる日常の相互作用の中で,エスニシティ,ジェンダー,階層,ナショナリティ,言語,移民世代が交差する支配のマトリックスに絡めとられ,その抑圧が彼女たちの葛藤や進学・就労機会の制約につながっていたことを考察した.さらに,抑圧への抵抗としてエスニシティを共有する近居友人ネットワークを築いていることに注目し,そのような親密圏が生活の基盤となる可能性と限界について論じた.最後に,家族研究においてインターセクショナリティの視点を採用する意義と課題について述べた.</p>

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