低分子ペプチドの吸収と生理機能に関する研究

  • 松井 利郎
    九州大学大学院農学研究院生命機能科学部門食料化学工学講座食品分析学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Study on the Bioavailability and Functionality of Small Peptides
  • (JSNFS Award for Excellence in Research (2024))
  • (令和6年度日本栄養・食糧学会学会賞受賞)

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説明

<p>アミノ酸の重合体であるペプチドには健康性を維持する機能があるとされ, 高血圧予防や糖尿病予防作用, 認知症などの疾患に対する予防効果が報告されている。筆者らが研究開発してきた高血圧改善作用を有する特定保健用食品「サーデンペプチド」はその好例である。他方, 生理作用発現と相関するペプチドの生体利用性に関する研究は大いに立ち遅れている感がある。その要因のひとつとして適切な分析化学的評価系の欠如が考えられる。これまでに, 蛍光誘導カラムスイッチングHPLC法やアミン誘導体化LC-MS/MS法, さらにはペプチドの組織分布を可視化して評価できるMS分析法に基づくイメージング分析の最適化を図ってきた。これら分析法をもとに, 血漿からピコモルレベルでのペプチド検出に成功し, 循環血液系にそのままの形で吸収されることを明らかにしている。本稿ではペプチドの生体調節作用とペプチドの生体利用性に関するこれまでの研究について概説する。</p>

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参考文献 (29)*注記

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