血液凝固におけるフィブリン繊維の形成およびその性質

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タイトル別名
  • The Fibrin Fiber Formation in Blood Clotting and the Properties of Fibrin and Fibrinogen.
  • ケツエキ ギョウコ ニ オケル フィブリン センイ ノ ケイセイ オヨビ ソノ セイシツ

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抄録

微生物の侵入に対処するに,免疫反応をもってするごとく,ヒトの身体の防御機構は多くの種類があって,実に巧妙にできている。血液凝固機構も明らかに自衛手段の一つに数えられる。いうまでもなく血管損傷時の体液の漏出を防ぐのであるが,最終的にはフィブリン繊維を形成することによって,血餠をつくって穴埋をする工程で応急処置が施され,一方,徐々に毛細血管が血餠内に伸びて,コラーゲンの生成を始め,肉芽組織が新生して補修工事が終結する。血液凝固過程はかような位置づけができるもので,本稿では主として繊維形成のプロセスと,繊維および前駆物質との間の物性の相違について述べる。フィブリノーゲン分子およびフィブリン分子間の会合解離とSH基の役割や,アルカリ土金属の影響,特に繊維の粘弾性に及ぼす影響の一部分を示し,フィブリンの臨床応用にも多少言及する。

収録刊行物

  • 高分子

    高分子 17 (3), 202-206, 1968

    公益社団法人 高分子学会

被引用文献 (1)*注記

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