サリドマイドの催奇性メカニズム

  • 伊藤 拓水
    東京工業大学ソリューション研究機構
  • 安藤 秀樹
    東京工業大学大学院生命理工学研究科
  • 半田 宏
    東京工業大学ソリューション研究機構 東京工業大学大学院生命理工学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Mechanisms of Thalidomide Teratogenicity
  • サリドマイド ノ サイキセイ メカニズム

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抄録

およそ半世紀前に鎮静剤として開発されたサリドマイドは,1960年代始めに催奇性が発覚し,一度,市場からの撤退を余儀なくされた.しかし,ハンセン病や血液癌の一種である多発性骨髄腫といった難病に対して著しい効果を有することから再び脚光を浴び,現在は厳しい統制を受けながらも,その処方が認可されている.このようにサリドマイドは,半世紀以上の歴史を有するきわめてよく知られた薬剤であるが,その催奇性メカニズムは長い間不明であった.最近になり,磁性ナノ微粒子(半田ビーズ)を用いたアフィニティ精製により,サリドマイド催奇性における主要な標的因子であるセレブロン(cereblon,CRBN)が単離・同定され,その分子機構が解明された.

収録刊行物

  • 化学と生物

    化学と生物 49 (12), 819-824, 2011

    公益社団法人 日本農芸化学会

参考文献 (31)*注記

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