景観デザイン誘導のための市民参加型協議の効果と課題に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Study on the merits and problems on the discussion with the public for urban landscape
  • Case study of the project in Design Review in Seattle, USA
  • 米国シアトル市のデザインレビュー物件を事例として

抄録

シアトル市で実施されている市民参加型協議による景観デザイン誘導について、協議案件の事例分析と、関係者インタビューを通して、市民参加型協議の効果と課題を考察した研究である。本研究は、5章から成る。第1章で研究の背景と目的を述べ、第2章ではシアトル市の建築・都市計画に関する市民公開の協議の場を整理する。第3章で、デザインレビュー制度の概要とレビューでの協議の場に参加する委員・市職員・建築家に対してインタビューを実施し、シアトル市のデザインレビューの効果と課題についての各主体の見解を明らかにする。第4章では、協議にかけられた物件について、2回の協議での助言内容と市民意見の分析を行い、助言内容と市民意見の変化を考察する。第5章では、市民参加型協議では委員の専門的な意見に市民意見が加わることにより意見の重みが増すこと、協議の場に市民が参加することにより、市民に建築やまちなみを評価する視点を教育できている点を効果として、また、市民意見は建築デザイン以外の項目が意見として挙がることがあり、委員は意見を集約する技量が問われる点を課題として指摘し、まとめとした。

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 47 (3), 655-660, 2012

    公益社団法人 日本都市計画学会

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