緑の基本計画の計画項目の構造についての計画論的考察

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Structural Development of Contents of the Master Plan For Parks And Open Spaces from a Theoretical Perspective on Planning

抄録

本研究は、「緑の基本計画」の計画項目の構造の変遷を、長期的な目標とこれに関連する計画項目の関係性という観点に立ち、計画論的に考察することを目的とするものであり、次の結論を得た。緑地計画が「ビジョン」、「施策の方針」、「実施プログラム」を基本として確立されているという前提に立つと、「緑の基本計画」の前身である「緑のマスタープラン」においては、長期的な「ビジョン」と「施策の方針」の創出が主に重視されていた。しかし、実務において、意欲的な「ビジョン」と、実現可能な「施策の方針」との間の乖離が問題とされたため、「緑の基本計画」においては、「ビジョン」の設定方法がより自由になるとともに、「実施プログラム」が充実化された。さらに、計画内容を「説明」する役割を担う計画項目が追加されるとともに、「ビジョン」や「施策の方針」を設定する際に計画範囲を限定する計画項目が追加された。また、各種施策が充実化してきたのをうけ、「緑の基本計画」において「施策の方針」として扱われる施策の種類も増加したが、これらを通じて、「ビジョン」または「施策の方針」との関係性が不明確な計画項目もみられるようになった。

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 52 (3), 1248-1255, 2017-10-25

    公益社団法人 日本都市計画学会

参考文献 (2)*注記

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