滋賀県多賀町から産出したアケボノゾウ(多賀標本)では,ほぼ全身の体骨格が得られている.この標本を基に,アケボノゾウの骨格復元を行った.復元骨格の肩高は193cm,体長は458cmである.脊柱の湾曲は前方でやや強く,後方で直線的である.棘突起の先端を連ねた形状は直線である.骨格は,足跡化石のデーターを基に歩行中の姿勢に組み立てられた.ツダンスキーゾウは,肩高約3.5mの大型の長鼻類である.両者の体型を比較すると,体長と体肢の比率は,アケボノゾウでツダンスキーゾウよりも胴長のわりに四肢が短いプロポーションを取る.
地球科学 54 (4), 268-278, 2000
地学団体研究会