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- 中村 順行
- 静岡県茶業試験場
書誌事項
- タイトル別名
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- Shoot Tip Culture of Tea Cultiver Yabukita
- チャ ヤブキタ ノ ケイチョウ バイヨウ
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説明
やぶきたの茎頂培養において,茎頂の伸長促進及び発根を誘導し速やかに幼植物体を得るため,種々の基本培地の影響や各種ホルモン類の添加効果及び発根培地等を検討した。<BR>まず,基本培地の違いが茎頂の生育に及ぼす影響を検討した結果,8種類の修正培地(表1)の中ではNITSCH, MURASHIGE & SKOOG及びGAMBORGの培地で茎頂が生育を示した。<BR>そこで,NITSCH培地に各種のサイトカイニン類を添加した場合,ベンジルアデニン(BA)では0.1~3.0mg/lで茎頂の生育が優れていたが,葉数の増加には0.1mg/lより3.0mg/lが効果的であった。また,アデニン,ゼアチン,イソペンテニルアデニンでは各々3.0mg/l区が,4-ピリジルウレア(4-PU)では0.1mg/1区が茎頂の生育にやや効果を示した。<BR>さらに,茎頂の生育を促進させるためBAにナフタレン酢酸(NAA)やジベレリン(GA)を組合わせ培養した結果,NAA添加区では茎頂部がカルス化し,生育阻害の認められるものが多かった。GAを組合わせた場合にはBA0.1~1.0mg/l+GA5.0mg/l区で茎頂の生育が優れた。<BR>このようにして,茎頂の生育が認められたものから,発根を誘導する場合には,できる限り伸長した芽を供試することが大切であった。また,その場合の培地は多量無機成分濃度を1/2濃度以下に減らし,インドール酪酸(IBA)濃度を0.5~1.0mg/l程度添加するのが最適と考えられた。<BR>以上のことから,チャの茎頂培養ではNITSCH培地やMURASHIGE & SKOOG培地などにBAとGAを組合わせ,茎頂を生育させた後,IBA添加培地に移すことにより,発根を誘導し,幼植物体を速やかに得ることが可能となった。しかし,今後チャの大量増殖法を確立するためには多芽形成についての知見が少ないため,その検討を加えて行く必要があろう。<BR>本論文の作成にあたり,貴重な御助言を頂いた農水省茶試茶樹第一研究室室長鳥屋尾忠之博士に深謝の意を表します。
収録刊行物
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- 茶業研究報告
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茶業研究報告 1987 (65), 1-7, 1987-06-01
Japanese Society of Tea Science and Technology
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679251585408
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- NII論文ID
- 130000737594
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- NII書誌ID
- AN00143344
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- NDL書誌ID
- 3211405
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- ISSN
- 03666190
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可