皮膚肥満細胞症に対する各種薬剤投与後のDarier徴候の抑制の比較

書誌事項

タイトル別名
  • Inhibition Study of Darier's Sign with Oral Medicines in a Patient with Mastocytosis.

この論文をさがす

説明

皮膚肥満細胞症は皮膚限局の肥満細胞の増殖をきたす疾患であり,軽度の擦過によって皮疹部に一致して紅斑,膨疹を生じるDarier徴候を認めるのが特徴的である。今回,我々は皮膚肥満細胞症の生後11ヵ月の男児に対して,そう痒,膨疹形成抑制のための内服薬を選択するために,薬剤を投与した後のDarier微候の抑制の比較を試みた。薬剤は抗アレルギー剤(フマル酸ケトチフェン),抗ヒスタミン剤(酒石酸アリメマジン,塩酸シプロヘプタジン),ジアミノジフェニルスルフォン,副腎皮質ホルモン剤(ベタメタゾン)を使用した。各薬剤を投与後,最高血中濃度に達する時間にDarier徴候を誘発し,紅斑,膨疹の抑制を比較したところ,フマル酸ケトチフェンで最もDarier徴候が抑制された。また,治療としてフマル酸ケトチフェン内服を行い,7ヵ月後には血漿ヒスタミン値の減少を認めたため,Darier徴候の抑制を比較することの有用性が示唆された。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 62 (3), 349-352, 2000

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (17)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ