スポロトリコーシス

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タイトル別名
  • Sporotrichosis
  • ―組織内に豊富な菌要素のみられた1例―

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抄録

症例58才男子, 公務員, 高知県安芸市在住, 昭和47年9月ころ, 倉庫の掃除をしていて土を掘りかえしたことがあるが, 外傷はうけなかつた。昭和48年2月ころ, 左上腕屈側部に虫刺され様の小丘疹が発生し, 掻破しているうちに同部に潰瘍を生じ徐々に拡大した。某外科医院で種々の治療をうけたが効果なく, 半年後には原発巣の周囲にも小潰瘍を形成し難治であつた。その後は自宅で創部の消毒のみをおこなつていた。皮疹発生より1年半後受診した。皮膚生検をおこない組織学的に検培するとともに真菌索養をおこないSporothrix schenckiiをえた。組織学的には真皮全層にわたる炎症性肉芽腫の像を呈し, HE染色, PAS染色とも真皮上層に無数の遊離胞子をみとめ, 分芽胞子, 分割した胞子も認められた。またHE染色にて好酸球に染まつた胞子の周囲に透明なhaloが観察された。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 39 (2), 183-187, 1977

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (3)*注記

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